天誅参

game

・概要
忍者版メタルギアソリッド、対戦モードつき。
・ストーリー
個別のストーリーのあるキャラが3人。力丸と彩女はお互いのシナリオの中で何度か顔を合わせるものの、それぞれのストーリーがクロスオーバーしているということはなく、同じ敵をそれぞれ殺してたりする。結局本筋は殆ど同じなんだからバイオハザードシリーズみたいに絡ませたりすりゃ良かったのに。ナレーションでしか語られてない部分とか中途半端なことしか教えてくれないムービーとかシナリオも追いきれてないし、最後にハッとするどんでん返しや複線もなく、ラスボスはラスボスのまま。しかも一応ナンバリングタイトルの続編なので昔の敵だか味方だかが何の説明もなく出てきたり、超意味不明ってほどじゃないけどわかり辛さはあった。要するに期待するほどじゃない。
ただし隠しキャラの鉄舟の話、コイツの話も他のキャラとは繋がってはいなくてステージも少ないんだけど、かなり渋くて格好良かった。
・ビジュアル
忍者！昔のゲームということもあり、OPは綺麗だけどイベントのムービーは荒い。当時は綺麗だったんだろうけど今見るとかなり辛い、特に人の顔が全体的にヤバい。マジでヤバい。口元がずっと隠れてる力丸はともかくずっと顔出てる彩女や鉄舟は近くでみるとかなり・・・一番ひどいのは別の国に嫁いだらしい菊姫。マジでキモい。
忍殺（気付かれずに後ろから攻撃）したときと、ボスの投げと一部の技にカメラワークも変わってかっこいい演出が交じるのがとても良い（すぐ飽きるけど）。ただしカメラワークは毎回同じだったりするので対戦などで何度も食らうとイラつく。
・ゲーム
CPUが思っていたよりバカなので慣れるとサクサク忍殺が決まって楽しい。ただしステージが少なく、任務によって結構使いまわされるので一度配置と構造を覚えてしまうともっとサクサクいける。とはいえステージは全体マップが見難くて使えないくらい広く、敵の配置も同じ任務で3パターン「選べる」ようになるのでそういう意味では完全に覚えゲーにはなりづらい。ただしその前に忍殺するのに飽きるのだけど。
自分の姿がバレると斬り合いになるのだけどカメラワークや忍びのアクションに重きを置いているので斬り合いになるとかなり手間がかかる。CPUのガード率が高く、ガード崩しは後半で覚える出の遅い一撃技と投げしかなく、投げが固定コマンド式じゃなく密着してガードボタンなので結構出しづらい上に接近するとすぐ斬られる。その上ガードすると距離がかなり離れる。要するに見付かると面倒なだけなので見付からないように必死になるんだけど、一度見付かると逃げようにも移動速度が相当遅いのでアイテムを駆使することになって、まあ要するに忍殺以外は全て面倒。だから忍殺に飽きたらおしまい。
このゲームの素晴らしいところはしっかり隠しコマンドが用意されていて、隠し任務やキャラが出せたりアイテムの解禁・増殖、ミッション中の体力回復がコマンドでできたりするところ。これによって死ななくなり、「アイテムの節約」という大事だけどクソ面倒な部分が意味をなくすのでそれだけでも難易度は格段に下がる。すばらしきゆとりの仕様。
　対戦・協力モード付きで、どちらもそれなりに遊べる。対戦はキャラクターが15人くらい居るけどまともに戦おうとするとかなり限られる上、起き上がりにダウン属性ガード不能技を重ねられると行動不能で一方的に負ける。しかもそのガー不武器の火矢が対戦時のみみんな最初から持ってるので結果こかし合いになる。火矢禁止で遊んだけどキャラ性能のバラつきが微妙。要するにあんまり面白くない。協力は固定のミッションを二人でクリアするモードだけどクリアリザルトが出ないのでやり込みは無し。その上敗北条件を満たす（敵に見付かるなどする）と即「任務失敗」って出てゲームが終わるのでイラつく。要するにあんまり面白くない。隠しコマンドでキャラ出しても対戦・協力のステージは増えないのでストーリーをクリアする必要があるのも面倒。一晩くらいは遊べるバカゲー
　隠しミッションでは忍者がなんでかアメリカで警官を殺すというカオスなシチュエーション。
・音楽
ムービーの曲は最終戦などかなりカッコいいものもあるけど、道中の曲は忍者なのであんまり聴こえない、要するに印象に残らない。天誅１の使いまわしが多いらしいけど詳細は不明。OPはエセ時代劇っぽい曲だけど、サビの「サダメェェェ〜〜〜〜」って上向きに伸ばすところが変に鼻についてそこだけ印象に残ってキモい。サダメェェ〜〜〜
・総評
システム的にも爽快感的にも、忍殺のみが求められる。敵に気付かれずに一撃で殺すという気持ちよさ。それを単純な敵処理と認識すると飽きる。その後で「如何に敵を殺すか」でなく「如何に敵に見つからないか」に楽しみを見出せばもうちょっとは遊べる。しかし敵に一度も発見されないと最高ランクが取れるのだけど、ポーズメニューが存在しない仕様のため一度でも見付かったときにゲームの中断ができない。ソフトリセットも効かない。そういう欠陥のある、要するに微妙なゲーム。きっと借りて遊ぶと楽しいけど、一度遊ぶともう二度とこのシリーズは遊ばないだろう