読むだけで泣けてくる

花京院典明は、自分のこの「法皇の緑」を見る時、いつも思い出す。

小学校教師
『花京院さん、お宅の典明くんは、友だちをまったく作ろうとしません。 
 そう、嫌われているというより、まったく人とうちとけないのです。
 担任教師としてとても心配です。』


『それが…恥ずかしいことですが…親である…わたしにも…なにが原因なのか…』

子供の時から思っていた。 町に住んでいると、それはたくさんの人と出会う。
しかし、普通の人たちは、
一生で真に気持ちがかよい合う人が、いったい何人いるのだろうか…?

小学校のクラスの○○くんのアドレス帳は、友人の名前と電話番号でいっぱいだ。
50人ぐらいはいるのだろうか? 100人ぐらいだろうか?

母には父がいる。 父には母がいる。
自分はちがう。 
TVに出ている人とか、ロックスターはきっと何万人といるんだろうな。
自分はちがう。

「自分にはきっと一生、誰ひとりとしてあらわれないだろう。」
「なぜなら、この『法皇の緑』が見える友だちはだれもいないのだから…
見えない人間と真に気持ちがかようはずがない。」

ジョースターさん、承太郎、ポルナレフ、アヴドゥルに出会うまでずっとそう思っていた。
アヴドゥルとイギーのことを考えると、背中に鳥肌が立つのはなぜだろう。
それは、目的が一致した初めての仲間だったからだ。DIOを倒すという、この旅!
数十日の間だったが、気持ちがかよい合っていた仲間だったからだ。

花京院典明は「法皇の緑」を見て考える!
こいつを昔のように誰にも気づかせなくしてやる。
そう!DIOの正体をあばき、倒すため完璧に気配を消してやろう。